肩肘張らずに楽しめる、「魅せる」スタイリッシュ女泥棒もの映画です。
「オーシャンズ11」にはじまる「オーシャンズ」シリーズの女性キャスト版ということで話題になっていますね。ネット上の報告によると「あぢーー」と息も絶え絶え重い足取りで映画館を訪れたのにも関わらず、鑑賞後には背筋しゃっきり、ハリウッド女優のごとく颯爽と帰途に着く女性が続出しているようです。
「オーシャンズ」シリーズの流れを汲む映画の最新作ということで、鑑賞に行く方の大半は大筋も結末もなんとなく予想がついてしまっているのではないかと素人がいらぬ心配をしてしまう本作ですが、豪華キャストが時には大胆に、時には妖艶にスクリーンを駆け巡り、観客はそのパワーに引っ張られながら安心して物語を楽しめる、いい意味でキャストが魅せる映画だと感じました。監督・脚本はゲイリー・ロスです。
あらすじ
刑務所から仮出所したデビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)は、約6年の服役中に練りに練り上げたある計画を実行するべく、旧友のルー・ミラー(ケイト・ブランシェット)を頼りに仲間を集めはじめる。その計画とは、カルティエ門外不出の、1億5000万ドルの価値を持つダイヤのネックレスを盗み出すという無謀なものだった。
※以下、ネタバレあり
主なキャスト
・デビー・オーシャン(サンドラ・ブロック):主役でありオーシャンズのリーダー。彼女が仮釈放で出所するところから物語ははじまる。
・ルー・ミラー(ケイト・ブランシェット):デビーの旧友。デビーのよき理解者。ウォッカを薄めて(?)稼いでいる模様。人との折衝がうまい調整役。
・アミータ(ミンディ・カリング):宝石鑑定士。宝石の値打ち付けには厳しく家族にも容赦なし。
・タミー(サラ・ポールソン):盗品のディーラー。家族にはeBayで手に入れたと嘘をついて倉庫に盗品を並べまくっている。パーティーの運営側に潜り込む。
・コンスタンス(オークワフィナ):一流詐欺師。放っておくと時計を盗んじゃう。ネックレスの入手と運搬を担当。
・ナインボール(リアーナ):偽名の天才ハッカー。警備システムへのクラッキングを担当。
・ローズ・ワイル(ヘレナ・ボナム=カーター):時代に取り残された崖っぷち元一流デザイナー。ダフネに近づくために、搦め手を用いて(主にデビーとルーが)彼女がパーティーで着用するドレスのデザイナーとなる。
・ダフネ・クルーガー(アン・ハサウェイ):超人気女優。オーシャンズ一味は彼女を利用することで、門外不出のネックレスを公の場に引き摺り出し、盗み出そうと画策する。
雑感
良かったところ
キャストがとにかくかっこいい「魅せる」映画
サンドラ・ブロックかっこいい!! でもそれ以上にケイト・ブランシェットやばい、かっこよすぎる!!! ケイト・ブランシェット演じるルーは主役のサンドラ・ブロックよりもちろん露出は少ないですが、オーラが半端ありません。ここまでかっこいいと思わせる女性俳優は本当に稀なんじゃないでしょうか。なんてクールな方なんでしょう。流し目たまりません。調べてみたら今年49歳ということでさらにびっくり。最近の女性はいくつになってもお美しいですね(流れでサンドラ・ブロックについて調べたら54歳でした。目が飛び出ました)。
他にもクールなポイントとして、ブツを盗み出した後になぜか唐突に主要登場人物がドレスアップした姿で階段を降りてくるシーンがあるのですが、どうしてドレスアップしたのかという理由はよくわからないものの、そのかっこよさに鳥肌が立ってしまいました。みなさんたいへんお美しい…。管理人は無知でわかりませんでしたが、きっとハイブランドの高級ドレスをお召しだったのでしょう。知識がある人が見れば、きっと鼻血ものであるに違いありません。華麗な盗みのテクで魅せる+キャストで魅せる、まさに徹頭徹尾「魅せる」映画でした。
派手なアクションシーンはない本作ですが、あくまで泥棒らしく、人目を忍びクールにタスクをこなしていく姿は無駄がなくスタイリッシュで、観客を飽きさせません。3Dプリンターやメガネ型カメラなど最先端のガジェットが登場したりと、盗みの面でも凝ったギミックが用意されています。
微妙だったところ
シリーズ定番の笑える小ネタも随所に盛り込まれていましたが、字幕版では多少わかりづらかったです(吹き替え版は未鑑賞です)。
また、主人公の過去の因縁が物語を動かす一つのポイントとなっているのですが、尺的な問題なのか描き方の問題なのか描写がいまひとつかな、という印象を受けました。復讐を果たした際のカタルシスに欠けるというか…。示唆に富んだようなタイプの映画ではないと思いますので、復讐ももっとわかりやすくスカッとした感じでまとめても良かったのではと感じました。
まとめ
若干セクシーなシーンはありますのでオトナの家族と、あるいは友達、恋人とも、もちろん一人でも楽しめる万人向けの映画でした。夏のお供に、暑さを吹っ飛ばすスタイリッシュでキレッキレな本作をぜひご覧になってはいかがでしょうか。
最後に、本編ではぼかされていましたが、デビーの兄であり、前「オーシャンズ」のリーダーであったダニー・オーシャンのその後も気になるところですね。あとバカな管理人は、本作がオーシャンズ“8”であることを種明かしまですっかり忘れておりました(笑)