ケータイの通信料をいかに安く済ませるか、というのは現代人の多くに共通するテーマだと思います。できれば安いに越したことはないですが、「ケータイの契約ってなんだかわかりにくい」というのが多くの方の見方ではないでしょうか。通信料は決して少ない金額ではありませんし、ケータイを使う限りは必ず、しかも半永久的に支払わなければならないものです。現代人にとってケータイはなくてはならないものになりました。格安SIMの登場など競争が拡大される一方で、最近は端末の高機能化に伴い端末自体の価格も高騰しています。
ケータイ3大キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)では、端末代金や月額料金を割引するためのプログラムとして、いわゆる「2年縛り」「4年縛り」を活用しています。これらのプログラムは割引を適用するかわりに契約期間に一定の縛りを設けるもので、無論ユーザーが自ら選択して加入するものです。しかし、これらのプログラムが競争促進の障害になっているとして、総務省、公正取引委員会から問題視されていることが報道で取り沙汰されています。
今回はこれらの「縛り」の概要と、今後の道筋についてまとめていきたいと思います。
「2年縛り」とは?
「2年縛り」の概要
2年間は当該のキャリアを利用することが前提の契約で、端末代金や月額料金などが割引されます。途中解約すると違約金が発生します。逆に違約金を発生させないで解約できる期間は、2年満了した後の1〜2ヵ月(25〜26ヵ月目)しかありません。解約しない限りは、期間満了後も自動更新されます。これは、3大キャリア全てで導入されているプログラムです。
「2年縛り」の問題点は?
問題視されているポイントは、「2年間の契約」を謳っているにも関わらず、契約24ヵ月目、つまり2年ちょうどで解約できない、という点です。
au、ソフトバンクの「4年縛り」とは?
「4年縛り」の概要
48回/月の割賦払いで端末を購入できる契約で、購入から2年経った後(25ヵ月目以降)に機種変更した場合に、支払うはずであった残りの割賦払い金額が免除されるという仕組みになっています。ただし、免除の条件として同プログラムへの再加入が求められます。つまり、利用するユーザーの側からみれば実質的には半永久的な契約となるわけです。このプログラムは、auとソフトバンクが導入しています。
「4年縛り」の問題点は?
問題視されているポイントは、48ヵ月という長期の割賦契約が必要である点、割賦金額の免除の条件としてプログラムへの再加入が求められる点です。これらのファクターから、他キャリアへの移行が困難になると危惧されています。
3大キャリアの対応は?
2018年8月決算時のKDDIの説明では、「2年縛り」については、2019年春より、違約金なしで解約できる期間を24ヵ月まで拡充し、「4年縛り」についてはプログラムへの再加入という条件をなくすとしています。
「2年縛り」については他2キャリアも、「4年縛り」についてはソフトバンクも同様の対応をとることを表明しています。
今後はどうなっていくのか?
競争促進の観点からユーザーの囲い込みが問題視される一方で、キャリアとしては安定した収入を得るべく試行錯誤しており、端末の価格が高騰するなかでユーザーに配慮したという主張には納得できる部分もあります。
今回表明された方針が実現しても「縛り」の実質的な問題が解決したとは言えませんが、ユーザーにとっては通信料が安くなることが一番ありがたいことであると思いますので、今後も注目したい話題です。