「速い」と話題のM.2 SSDですが、PCIeやNVMeなど規格の名前がたくさん出てきて混乱しやすくなっています。
そこで、各種規格についてまとめてみます。
M.2(エムドットツー)
拡張カードのフォームファクタとコネクタ形状の規格です。SSDに限った規格ではありません。
※フォームファクタ:ハードウェアの形状や大きさなどの取り決め
※拡張カード:機能拡張のためにマザーボード上の拡張バス(拡張スロット)に装着する基板
M.2のバス方式にはPCIe3.0、SATA3.0、USB3.0などがあります。
このバス方式が何によって規定されるかというと、M.2の端子の形状によって変わってきます。形状にはそれぞれ「Key ID」というIDがつけられています。
まとめ
M.2は拡張カードの規格で、接続のためのバス方式は様々な種類があります。
SATAとPCIe(PCI Express)
両者ともシリアル転送方式のインターフェイス(拡張バス)の規格です。
SATAは主にHDD用に設計された規格です。SATAには転送速度に関わる1.0、2.0、3.0などのバージョンがあります。
SATA 6Gb/s接続であれば最大転送速度は600MB/sです。対応インターフェイスはAHCIです。
PCIeには転送速度に関わる1.0、2.0、3.0などのバージョンと、×1、×4、×8、×16などのレーン数があります。PCIeは1レーンあたりの通信帯域が決まっていて、レーン数の分乗算されます。
PCI Express 3.0×4対応のSSDであれば最大転送速度は4GB/s(PCI Express 3.0は1レーンあたり8Gbit/s=1GB/s)です。これはSerial ATA 6Gb/s接続の6倍以上と非常に高速です。対応インターフェイスはAHCIとNVMeです。
まとめ
SATAとPCIeはバス方式の規格で、PCIeの方が高速です。
AHCIとNVMe(NVM Express)
両者ともホストコントローラーインターフェイスの規格です。
AHCIはSATAインターフェイスのストレージ、当時のHDD向けにつくられた規格です。
NVMeはPCIeインターフェイスのSSD向けにつくられた規格です。
AHCIはHDD向けの規格であったため、PCIeインターフェイスのSSDが登場し高性能化を遂げるにつれボトルネックとなってしまうようになりました。そこでPCI Express接続でSSDの力を十分に引き出すべく、SSD用の規格として登場したのが「NVMe」です。
「PCI Express 3.0×4対応のSSDであれば最大転送速度は4GB/s(PCI Express 3.0は1レーンあたり8Gbit/s=1GB/s)です」と先に述べましたが、この性能を発揮するためにはホストコントローラーインターフェイスがNVMeである必要があります。
まとめ
AHCIとNVMeはホストコントローラーインターフェイスの規格で、NVMeの方が高速です。