メモリーはCPUが処理するデータを一時的に蓄積しておく役割を担っています。CPUとストレージの橋渡し役でもあります。
デスクワークで例えると、仕事をする人がCPU、デスクが「メモリー」です。扱う書類をデータ、ハサミや電卓などの道具をアプリケーションとします。書類(データ)はデスクの棚(ストレージ)に収納されており、仕事に必要なものはデスク上に出して作業します。道具(アプリケーション)も使うものはデスク上に出す必要があります。このとき机が狭いと書類や道具を出してもすぐに机上がものでいっぱいになってしまいます。一方で机が広ければより多くの書類・道具を広げて余裕を持って作業することができ、結果的にスピードアップします。この「机の広さ」が「メモリーの性能」を表します。
メモリーの構造
基板
メモリーモジュールのベースになるパーツです。ノイズを減らし入出力信号の安定化に寄与する多層構造となっています。
メモリーチップ
実際にデータを蓄積するICチップです。現在はSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)チップが主流で、基盤上に複数搭載されています。
SDRAM:RAMの一種です。DRAMを改良してシステムのベースクロックに同期して動作するようにしたもので同期RAMとも呼ばれます。すべてのメモリーが同一のクロックに同期して動作します。例えば動作周波数の高いメモリーと低いメモリーを混在させると、低い動作周波数の性能しか発揮できません。データの記憶に電源を必要とする揮発メモリーです。つまり、電源供給が断たれると一時データは失われます。
RAM:データの読み出しと書き込みができるメモリーです。
ベースクロック:CPUやメインメモリーなどのマザーボードに接続されている機器を同調させるためのクロック周波数
SPD(Serial Presence Detect)
メモリーチップの仕様が記録されているチップです。チップの種類、動作周波数、容量、アクセスタイミングなどが記録されています。パソコン起動時にUEFIが情報を読み出します。
切り欠き
規格の異なるメモリーの誤装着を防止するために基盤上に設けられた切り込みです。マザーボード上のメモリースロットにこれに対応した溝があり、誤装着を防ぐ仕組みになっています。
接続端子
マザーボード上にあるメモリースロットとの接続部分です。