今回は自作パソコンについて、その概要と利点をまとめていきます。
自作パソコン(自作PC)とは?
一般にPCは、「CPU」、「メモリー」、「グラフィックスボード」、「マザーボード」、「SSD」、「HDD」「PCケース」などのパーツから構成されています。
学校や職場で広く使用されたり、家電量販店の店頭で見かけるパソコンは「メーカー製パソコン」と呼ばれるものです。メーカーが各パーツを選択して組み立てまで行っています。汎用性が高いですが、求めるスペックにぴったりと合致したものを見つけるのは困難です。
一方で「自作PC」は、自分で自由にパーツを選択し、使用目的に応じて好みの性能・予算で自分だけのPCを組み立てることができます。
自作PCを組むメリット
自分好みのスペックのPCを組むことができる
パーツの選択肢が非常に多く、自分が求めるスペックを追求したPCを組み立てることができます。
例えば、ゲームや動画編集をノンストレスで行うことができるハイスペックマシンを組みたい、軽い事務作業しかしないのでそこそこの性能で静音性が高いマシンを組みたいなど、それぞれのニーズにあったPCを実現することができます。
特定のパーツのみグレードの高い(低い)ものにすることも可能
メーカー製PCは、あるパーツが高性能であると他のパーツも高性能である、あるいはあるパーツがそれなりの性能だと他のパーツもそれなりである傾向があります。つまり汎用性を確保するために、パーツ性能の足並みを揃えて全体的な性能を総じて上下させてニーズに対応しているわけです。
例えば、ハイスペックPCは、CPUがハイエンドモデルでメモリーの容量が大きくストレージも大容量になりますが、価格が高くなります。一方でロースペックPCは、CPUがローエンドでメモリーの容量が小さめでストレージも貧弱になるものの、安価になります。
CPUやメモリーなどを選択可能なメーカー製PCもありますが、自由度の高さでは自作PCに劣ります。
学習塾で例えると、すべての生徒にオーダーメイドの授業を提供することは現実的ではないので、初級クラス、中級クラス、上級クラスと3クラスに分けて運用する、といった感じです。
一方で自作PCでは、例えば自分の環境にグラフィックボードは必要なさそうなので組み込まないでおこう、見栄え重視にしたいのでCPUはそこそこでライティングデバイスに凝りたいなど、特定のパーツを重視した構成が可能となります。
予算内で調整しやすい
上述の通り、特定のパーツを重視することが可能なので、予算のなかでパーツの要・不要、低性能・高性能を調整できる自由度が高くなっています。
不必要な機能は搭載しないという選択ができる
メーカー製PCは汎用性が高い反面、特定の人には必要でない機能が搭載されていることがあります。
例えば一体型のモデルやノートPCではディスプレイ上部にカメラが付いていたりします。このカメラは必要でない人にとっては全く使わない、いわゆる死に機能になってしまうばかりか、クラッキングなどを考えればリスクにすらなり得ます。自分が使わない機能を搭載するにもコストがかかっているわけですから、除けるものは除けた方が理想かと考えられます。
必要になったパーツは後で増設できる
はじめは必要とは思わなかった機能でも、PCを使用しているうちに欲しくなることがあるかもしれません。
自作PCはセルフでの組み立てを前提としているため、増設が非常に簡単になっています。
例えば稼働に最低限必要なパーツのみ揃えた状態で使用しておいて、ボーナスが出たらパーツを増設するといったようなことも可能です。また、ストレージの容量が不足気味になってきたのでSSDやHDDを増設するといったことも簡単にできます。
パーツの使いまわしができる
基本的にパーツの使いまわしが可能なので、特定のパーツを最新のものにする、余剰パーツを使ってサブPCを組むといったことが可能です。CPUとマザーボードについては定期的にプラットフォームが変わるので、一方を変更する場合はもう一方も変更しなければならないケースもあります。
ハードウェアの知識がつく
自作PCを組み立てようと思うと、最低限各パーツについての知識が必要になるので、ハードウェアに関する知識が自然と身に付きます。といっても構造や仕組みなどを理解しないでも、役割や選び方がわかれば組み立てに支障はありません。
自作PCで気になるポイント
パーツ選び
自作PCをつくるうえで最も楽しいのが、パーツ選びです。
無限とも言える組み合わせから、好みのパーツを選ぶ作業は最上の喜びです。日本では販売されていない、海外でしか手に入らないパーツもあったりと、パーツを探す作業も宝探しのようで楽しいです。パーツを個別に用意するため、メーカー製PCとは異なり保証はパーツごとになります。
なお、CPUに対応したマザーボードを選ぶ、電源の容量を見積もる、パーツ同士が干渉しないかクリアランスを確認しておくなど、特定のポイントに注意が必要です。
また最近では少なくなっているようですが、パーツ同士の相性問題も起こりうるので事前の確認、あるいは店舗での保証の利用などが必要になります。
組み立て自体は難しくない
慣れないと時間はかかりますが、サイズの大きいプラモデルといった感じで組み立ての難易度自体はさほど高くありません。マザーボードに添付されているマニュアルに沿って組み立てを行えば、まず間違いなく組み上げることができると思います。
作業としても静電気対策をして、プラスドライバーが一本あれば基本的には組み立て可能です。
組み立ての工程についてはこちらの記事で紹介しています。
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動作しない場合の問題解決は自分で
自作PCの場合は、いざ組み立ててみても動作しない、ということが起こり得ます。といっても不良品や相性問題に当たらない限り、きちんと組み立てを行えばまず動作します。ケーブルの挿し忘れなど案外初歩的なミスが原因となることも多いので、一通り確認すれば解決できる場合が多いです。