SNSや動画配信サービスの通信量が増大する昨今、その通信量の担保は大きな関心事になっています。
有線スマホやタブレットの普及に伴う対応子機の増加や、通信料の増大に伴う携帯端末の通信制限を避けるため、無線LANは家庭でも広く利用されるようになりました。
無線LANの利用にあたって、しばしば聞かれる問題が「通信速度が遅い」というものです。
通信速度低下には一筋縄ではいかない様々な要素が絡んできます。
今回はそんな、無線LAN・Wi-Fiの通信速度低下についてまとめます。
通信速度低下の原因
通信速度の低下として、主に以下のような原因が考えられます。
・利用環境の無線LAN親機が最新の規格に対応していない
・利用環境のLANケーブルの規格が古い
・無線LANの電波が弱い
・使用している子機が最新の規格に対応していない
・閲覧しているWebサイト自体の混雑・不具合
利用環境に関する問題であれば、機器自体の交換や設定変更で対応することができるでしょう。
利用環境の無線LAN親機が最新の規格に対応していない
無線LANの規格は、その世代によって通信速度が大きく異なります。
利用している親機(無線LANの電波を飛ばしている機器)が最新のものではない場合は、その機器が古い規格にしか対応していない場合があります。
そうすると必然的に、通信速度の速い新しい規格で接続することができなくなってしまうため通信速度が確保できなくなってしまいます。
規格の詳細についてはこちらの記事にまとめています。
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利用環境のLANケーブルの規格が古い
無線LAN親機と回線を接続するLANケーブルには様々な規格が存在します。
いくら無線LAN親機が高速通信規格に対応していても、そこに至るまでのLANケーブルがその規格でカバーしている通信速度に対応していないとボトルネックになってしまいます。
例えば、カテゴリー5以下のLANケーブルでは、100Mbpsで頭打ちとなってしまいます。
無線LANの電波が弱い
一般的に電波は、壁や天井などの遮蔽物があると届きにくくなります。親機からの物理的な距離が離れていて電波が弱い場合には、中継器を設置するなどして対策することができます。家庭内での利用機器による電波干渉も起こり得ますので、接続先を変更してみるのも手かもしれません。
電波干渉や接続先についてはこちらの記事でまとめています。
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使用している子機が最新の規格に対応していない
親機側が最新の機器でも、スマホやPCなどの使用している子機が最新の規格に対応していない場合があります。子機を最新のものにすることで解決できます。
閲覧しているWebサイト自体の混雑・不具合
時間をおいてWebサイトを利用することで解決できます。
以上のような原因がないかをチェックします。
それでも原因が見つからないようであれば、光回線の混雑が疑われます。
年々一人当たりの通信料が増大しているので、光回線の通信速度のボトルネックとなる終網端装置の環境整備が後追いになっている現状があります。特にフレッツ光と光コラボは速度低下が顕著になる傾向があります。
対応としては、IPoE接続の利用や、契約している光回線自体の見直しが考えられます。
通信速度の高低は地域や時間帯にも関わっており、大都市や夜間では速度が遅くなりがちです。