シンプルで美しい外観が特長であるNZXTのPCケース『H●00』シリーズの後継として、『H●10』シリーズが新たに登場しました。
NZXTのケースデザインに惹かれているものの、『H●10』シリーズのどのモデルにするか迷ってしまう場合に、本記事が参考になればと思います。
なお、前シリーズ『H●00』との比較について、以下の記事でまとめています。
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【PCケース】NZXT『H●10』シリーズと『H●00』シリーズを徹底比較!!
NZXTの最新PCケース『H●10』シリーズと、前身モデルである『H●00』シリーズを比較します。 なお、『H●10』シ ...
『H●10』シリーズ
シリーズ展開
『H●10』シリーズには、ATX対応の「H710i」「H710」「H510Elite」「H510i」「H510」、Mini-ITX対応の「H210i」「H210」がラインナップされています。
「Elite」モデル
サイドパネルが強化ガラス製となっているのが、本シリーズにおけるデザイン上の特徴の一つですが、500番台の「Elite」モデルはサイドパネルに加えてケース前面のフロントパネルもガラス製となっています。それに伴いフロントには専用LEDファン(Aer RGB 2の140mm)が2基、デフォルトで装着されています。
「i」が付く「H710i」「H510i」「H210i」および「H510Elite」はスマートデバイス標準搭載
お尻に「i」が付いている「H710i」「H510i」「H210i」および「H510Elite」はスマートデバイスV2が標準搭載されてるモデルです。
スマートデバイスV2は、NZXTから単独で販売されている「GRID+ V3」(ファンコントローラー)と「HUE 2」(LEDコントローラー)を併せ持った機能を持つデバイスです。専用のソフトウェアであるCAMを介することで、付属のLEDストリップとファンをコントロールすることが可能です。LEDコネクタが2つ、4ピンファンコネクタが3つ備えられています。
「i」が付いていない「H710」「H510」「H210」はLEDとファンの制御を行うスマートデバイスをオミットしたネイキッドモデルになります。
こちらの記事でライティングデバイスについて紹介しています。
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【NZXTライティングデバイス】『AER RGB 2』『RGB LED STRIP』他のまとめ
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カラー展開
「H510 Elite」以外のモデル(「H710i/710」「H510i/510」「H210i/H210」)は全てマットホワイト、マットブラック、マットブラック+レッドの3色展開です。
「H510 Elite」はマットホワイト、マットブラックの2色になります。
ストレージベイ
いずれも最近のトレンドに沿ってか、5インチベイは搭載されていません。
初心者もキレイにできる裏面配線の工夫
いずれのモデルも、マザーボードトレイ裏面にはケーブル誘導ガイドとケーブル固定用の面ファスナーが配されており、初心者でもきれいな配線が行えるようになっています。
主な仕様の比較表
「H510 Elite」は前述のようにケース前面にファンが搭載されていますので、GPUクリアランスが他の500番台よりも小さくなっています。
大きさ | 重量 | マザーボード | 外部接続 | シャドウベイ | |
H710i | 230×516×494mm | 12.3kg | EATX、ATX、MicroATX、Mini-ITX | USB3.1Gen2 Type-C×1、USB3.1Gen1 Type-A×2、Audio/Mic(4極)×1 | 3.5インチ:2+2、2.5インチ:7 |
H710 | 〃 | 12.1kg | 〃 | 〃 | 〃 |
H510 Elite | 210×460×428mm | 7.48kg | ATX、MicroATX、Mini-ITX | USB3.1Gen2 Type-C×1、USB3.1Gen1 Type-A×1、Audio/Mic(4極)×1 | 3.5インチ:2+1、2.5インチ:2+1 |
H510i | 〃 | 6.8kg | ATX、MicroATX、Mini-ITX | 〃 | 3.5インチ:2+1、2.5インチ:2+1 |
H510 | 〃 | 6.6kg | 〃 | 〃 | 〃 |
H210i | 210×372×349mm | 6kg | Mini-ITX | USB3.1Gen2 Type-C×1、USB3.1Gen1 Type-A×1、Audio/Mic(4極)×1 | 3.5インチ:1、2.5インチ:3+1 |
H210 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 |
拡張スロット | GPU | CPUクーラー | スマートデバイス | GPU垂直マウント | |
H710i | 7 | 長さ413mmまで | 高さ185mmまで | 〇 | 〇 |
H710 | 〃 | 〃 | 〃 | × | × |
H510 Elite | 7 | 長さ368.5mmまで | 高さ165mmまで | 〇 | 〇 |
H510i | 〃 | 長さ381mmまで | 高さ165mmまで | 〇 | 〇 |
H510 | 〃 | 〃 | 〃 | × | × |
H210i | 2 | 長さ325mmまで | 高さ165mmまで | 〇 | × |
H210 | 〃 | 〃 | 〃 | × | × |
H710i(※8月後半に発売予定)
カラーバリエーション
マットブラック
マットブラック+レッド
「H710i」を選ぶ際のポイント
まずはスマートデバイスの要・不要を考えて必要と判断した前提で、対応マザーボードと拡張スロット数で「H210i」とは明確に差別化できているので、その点が選択のポイントになるかと思います。悩むのは同じATX対応の500番台(「H510 Elite 」「H510i」)とどちらを選ぶか、でしょう。
まず大きさ、重量では「H510 Elite」「H510i」が一回りコンパクトです。
外部接続については、「H710i」がUSB3.1Gen1 Type-Aを1口多く備えています。
2.5インチストレージについては、3.5インチストレージを使用する前提だと、「H710i」は最大5台、「H510 Elite」「H510i」は最大2台と、「H710i」が倍以上搭載可能です(後述)。
わかりにくいストレージの搭載数
3.5インチシャドウベイ
比較表の「シャドウベイ」の項目で❝3.5インチ:2+2❞とありますが、これはどういう意味でしょうか? 3.5インチシャドウベイは電源シュラウド内にあり、2台のストレージを搭載可能です。つまり❝3.5インチ:2❞となるわけですが、さらにシャドウベイ上部に+1台マウントすることができます。また、このシャドウベイの取り付け位置を調整することで、+1台をケース底面に直付けすることができます。よって、❝3.5インチ:2+2❞という表記になるわけです。ただし、後者の方法では電源ユニットの設置スペースが狭くなる点に注意が必要です。
2.5インチシャドウベイ
2.5インチシャドウベイは電源シュラウド上面に2箇所、電源シュラウド側面に1箇所、マザーボードトレイ背面に2箇所あり、計5台のストレージを搭載可能です。一方、比較表の「シャドウベイ」の項目には❝2.5インチ:7❞とあります。❝7❞のうち2台は3.5インチシャドウベイ(2台搭載可能)に2台の2.5インチストレージを搭載することも可能であるということです。つまり、3.5インチストレージを搭載しないならば、最大7台分の設置スペースがあるということです。
グラフィックボードの垂直配置マウントが可能
グラフィックボードの垂直配置マウントが可能です。ただしPCI Expressのライザーケーブルは付属していません。
まとめ
こんな方におすすめ
- ATXマザーボード対応のケースでハイエンドモデルが欲しい
- クリアランス・拡張性の余裕があった方がよい
- 価格に制限されずケースにこだわりたい
- グラフィックボードを垂直マウントしたい
H710(※8月後半に発売予定)
カラーバリエーション
マットブラック
マットブラック+レッド
「H710」を選ぶ際のポイント
「H710」は「H710i」からスマートデバイスがオミットされたモデルです。
グラフィックボードの垂直マウントには対応していません。
まとめ
こんな方におすすめ
- ATXマザーボード対応のケースでハイエンドモデルが欲しい
- クリアランス・拡張性の余裕があった方がよい
- 付属のLEDストリップとファン制御機能は必要ない or 既に持っている
H510 Elite
カラーバリエーション
「H510 Elite」を選ぶ際のポイント
単純ですが「H510 Elite」の最大の特徴であるフロントがガラスパネルとなっている点に惹かれるならば、これ一択となります。また他モデルと異なり、はじめからLEDファン(フロント分2基)が付属しているのも大きなポイントです。
またデザイン面では、500番台は強化ガラスパネル面のデザインが目立って異なります。700番台、200番台では左サイドパネルが全面強化ガラスになっているのに対し、「500」は電源ユニットを格納するPSUシュラウドがそのまま外装となっています。
価格は約20,000円です。
わかりにくいストレージの搭載数
3.5インチシャドウベイ
3.5インチシャドウベイは電源シュラウド内にあり、ベイ内に2台、ベイ上に1台、最大3台のストレージを搭載可能です。
2.5インチシャドウベイ
2.5インチシャドウベイは、スペース的には電源シュラウド上面に2箇所、マザーボードトレイ背面に2箇所あります。これだけ見れば2.5インチストレージを4台搭載可能であるように思えますが、実際にはストレージを設置するためのアダプタ(クイックリリーストレイ)が2つしか付属してきません。つまり、アダプタの設置場所は4箇所から選ぶことができるものの、アダプタ自体が2つしかないため、実質的には2台の搭載となるのです。❝+1❞は電源シュラウド内の3.5インチベイを取り外すことで、ケース底面に直付けすることが可能となります。よって、最大で(アダプタで固定して使う前提で)計3台のストレージを搭載可能です。
グラフィックボードの垂直配置マウントが可能
グラフィックボードの垂直配置マウントが可能です。ただしPCI Expressのライザーケーブルは付属していません。
まとめ
こんな方におすすめ
- サイドだけでなくフロントもガラスパネルがいい
- ATXマザーボード対応のケースでコンパクトなものが欲しい
- ストレージの搭載数はそこまで重視しない
- グラフィックボードを垂直マウントしたい
H510i
カラーバリエーション
「H510i」を選ぶ際のポイント
「H710i」と同様、対応マザーボードと拡張スロット数で「H210i」とは明確に差別化できているので、同じATX対応の「H710i」「H510 Elite」とどちらを選ぶかがポイントになるかと思います。詳細は「H710i」「H510 Elite」の項目をご覧ください。
価格は約14,000円~と「H510 Elite」より5,000円程度安価です。
わかりにくいストレージの搭載数
3.5インチシャドウベイ
「H510 Elite」同様、3.5インチシャドウベイは電源シュラウド内にあり、ベイ内に2台、ベイ上に1台、最大3台のストレージを搭載可能です。
2.5インチシャドウベイ
「H510 Elite」と同様です。2.5インチシャドウベイは、スペース的には電源シュラウド上面に2箇所、マザーボードトレイ背面に2箇所あります。これだけ見れば2.5インチストレージを4台搭載可能であるように思えますが、実際にはストレージを設置するためのアダプタ(クイックリリーストレイ)が2つしか付属してきません。つまり、アダプタの設置場所は4箇所から選ぶことができるものの、アダプタ自体が2つしかないため、実質的には2台の搭載となるのです。❝+1❞は電源シュラウド内の3.5インチベイを取り外すことで、ケース底面に直付けすることが可能となります。よって、最大で(アダプタで固定して使う前提で)計3台のストレージを搭載可能です。
グラフィックボードの垂直配置マウントが可能
グラフィックボードの垂直配置マウントが可能です。ただしPCI Expressのライザーケーブルは付属していません。
まとめ
こんな方におすすめ
- ATXマザーボード対応のケースでコンパクトなものが欲しい
- 1万円台で手に入れたい
- ストレージの搭載数はそこまで重視しない
- グラフィックボードを垂直マウントしたい
H510
カラーバリエーション
「H510」を選ぶ際のポイント
「H510」は「H510i」からスマートデバイスがオミットされたモデルです。
価格は約10,000円~と「H510i」より5,000円程度安価です。
グラフィックボードの垂直マウントには対応していません。
まとめ
こんな方におすすめ
- ATXマザーボード対応のケースでコンパクトなものが欲しい
- 1万円台で手に入れたい
- 付属のLEDストリップとファン制御機能は必要ない or 既に持っている
H210i
カラーバリエーション
「H210i」を選ぶ際のポイント
対応マザーボードと拡張スロット数で他モデルとは明確に差別化できているので、その点が選択のポイントになるかと思います。
その他の主なポイントとしては、
3.5インチストレージについては、700番台が最大4台、500番台が最大3台搭載可能であるのに対し、「H210i」では1台となっています。
拡張スロットは700・500番台が7基あるのに対し、「H210i」では2基となっています。
価格は「H510 Elite」が約20,000円~、「H510i」が約14,000円~であるのに対し、「H210i」は約16,000円~となっています。
わかりにくいストレージの搭載数
2.5インチシャドウベイ
2.5インチシャドウベイは電源シュラウド側面に1箇所、マザーボードトレイ背面に2箇所あり、計3台のストレージを搭載可能です。3.5インチストレージ(1台)を搭載しない場合、プラス1台して最大4台の2.5インチストレージを搭載可能です。
まとめ
こんな方におすすめ
- MicroATX対応のコンパクトケースが欲しい
- 1万円台で手に入れたい
H210
カラーバリエーション
「H210」を選ぶ際のポイント
「H210」は「H210i」からスマートデバイスがオミットされたモデルです。
価格は約10,000円~と「H210i」より5,000円程度安価です。
まとめ
こんな方におすすめ
- Mini-ITX対応のコンパクトケースが欲しい
- 1万円台で手に入れたい
- 付属のLEDストリップとファン制御機能は必要ない or 既に持っている